誰もが日常的に使うトイレ。
あらゆる公共施設にもトイレが設置されていますが、一部の方にとってはトイレを利用する際に複雑な気持ちを抱いていること、知っていますか？
こちらでは、LGBTQ+を取り巻くトイレ問題について解説し、それを解決するためのオールジェンダートイレについてとその設置の課題に関しても解説いたします。
どういった問題なのか？
学校や会社、駅やレジャー施設などでトイレに行くとき、あなたは男性用・女性用どちらのトイレを使いますか？
この2択に加えて身障者・年配者用のトイレが設置されているのが一般的かと思いますが、想像して頂いた通り、一部のLGBTQ+にとっては選択しづらいのが公共トイレの現状です。
特にトランスジェンダーは公共トイレに使いづらさを感じ、2015年のLIXILの調査によるとアンケートに回答したトランスジェンダーの内の47%が利用したいトイレを利用できていないという結果も出ています。
また同調査で70%の人がトイレにおいて罵倒されたり、侮蔑的な扱いを受けたりと、トラブルを経験していることも分かりました。
性自認に従ってトイレを選択すると周囲の人の目が気になり、身体的な性に従うと異性のトイレを使用している違和感を抱いてしまうという理由で、どちらを使用すべきか悩み苦しんでいる、という現状があります。
広がる「オールジェンダートイレ」
オールジェンダートイレとは性自認や身体的性に関わらず誰でも利用できるトイレであり「ジェンダーニュートラルトイレ」などといった呼び方もあります。
海外を中心に少しずつ広まっており、日本でも一部の企業や施設で設置されています。
公共施設において、自由にトイレが選べるのであれば性別の区分けのないトイレを選びたいと答えるトランスジェンダーの方などは少なくありません。
また、オールジェンダートイレはトランスジェンダーのみならず異性介助の方々や異性の子を連れた保護者も利用しやすいというメリットもあります。
そういった理由から世界的に設置箇所が拡大しているオールジェンダートイレですが、設置にあたって数々の課題もあります。
それらも認識しておきましょう。
オールジェンダートイレ設置の課題
①：経済的な課題
オールジェンダートイレの設置はあらゆる企業において前向きに検討がなされています。
しかし、設置を進めたくても資金力が無いことや自社ビルではなく賃貸でオフィスを構えていることなどがオールジェンダートイレがなかなか広がらない理由の1つとなっております。
企業主導ではなく、自治体やビルのオーナーなどが積極的に設置を考える必要があるでしょう。
②：法律上・宗教上の問題
海外で設置が進んでいるとはいえ、土地や国ごとの法律上・宗教上の問題で導入ができない場合もあります。
特にアメリカは州ごとに法律が異なるため、自認の性に従ったトイレ利用を許している州と、生まれもった性のトイレ利用しか許していない州があります。
また、同性愛を罪としている宗教、受容していない宗教がマジョリティを占める地域では導入もなかなか進みづらいです。
日本においても、まだ他国と比べてLGBTQ+に対する理解が進んでいなかったり、社会的地位がきちんと認められていなかったりします。
そういった現状を変えるためには、他人事だと思わずに積極的に支援・理解をし、あらゆる人とコミュニケーションをとることがとても大切です。
まとめ
近年では成田空港第1ターミナルや株式会社ドン・キホーテを筆頭に男女別以外のトイレを設置する企業や公共施設も増えてきました。
ただし設置したからといって利用しやすいかは別問題であり、あらゆる人が気兼ねなく安心して利用できるよう配慮を重ねる必要があります。
例えば、個室の多い設計にする、男性用トイレにもサニタリーボックスを置く、女性は赤で男性は青など色分けをしないなど、ちょっとしたアイデアからでも少しずつトイレの在り方を変えることができます。
そして、何より私たち1人1人がLGBTQ+について理解し、想像力を働かせていくことがとても大切です。
これからもこちらのサイトにてLGBTQ+に関するあらゆる情報を発信していきますので、是非ともチェックしてください！
