日本国内でもLGBTQ+への理解が少しずつ浸透してきており、LGBTQ+に関連する言葉もよく耳にするようになったかと思います。
さて、そこで質問ですが日本全体でLGBTQ+当事者がどれ程の割合でいるのか知っていますか?
こちらの記事ではその質問に答えるとともに、教育現場や職場での課題に関しても解説致します。
全てアンケート調査によるデータを元にしたエビデンスベースドな内容なので、きっと実感をもって読むことができるかと思います。
では、早速参りましょう。
日本のLGBTQ+の割合とは?
結論から先にお伝えします[日本の人口の8〜10%前後がLGBTQ+当事者]という調査結果が出ています。
これは、日本の総人口に換算すると10〜13人に1人がLGBTQ+当事者であることになり、左利きの人の割合とほぼ同じだと言われています。
ただ、LGBTQ+の割合に関する調査はあらゆる団体が取り組んでおり、その団体ごとに調査対象や方法が違う点に注意が必要です。
あらゆる期間の調査結果の平均値が「8〜10%」であるので、必ずしも正確な数値とは言えませんが、その割合は年々増加傾向にあります。
LGBTQ+と名乗る人が増えている背景としては、LGBTQ+に対する世間の理解が少しずつ広まってきたことやLGBTQ+という言葉が世間に浸透して、当事者であることを隠さないでよくなってきたことや当事者が少しずつ自分を受け入れられるようになってきたことなどが考えられます。
また、電通ダイバーシティ・ラボの2020年の調査では、LGBTQ+ではないと自認している層(調査内ではストレート層としている)を対象に
[LGBTQ+に対してどのような考えを持っているか]のアンケートを集計しました。
結果[LGBTQ+は知っているが自分事ではない]という「知識ある他人事層」が34.1%という最も多い割合となりました。
認知の割合は増えたものの、問題意識・当事者意識が薄い面が現状の日本の課題と言えるでしょう。
【参照:電通ダイバーシティ・ラボ LGBTQ+調査2020年】
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0408-010364.html
教育現場での課題
LGBTQ+の認知を広げていくためには、教育現場にて正しい知識を教えていくことが重要です。
しかし、日本の実情としてはLGBTQ+に関する教育はほとんどなされていないのが現状です。
先程と同様の電通ダイバーシティ・ラボの2020年の調査では
[学校教育で、LGBTQ+をはじめとする「性の多様性」について教わったことはありますか]という質問に対して
[ある]と答えたのは全体で10.4%、[ない]と答えたのは73.9%という結果になりました。
いかに日本の教育現場が多様性を意識できていないかが分かる結果です。
しかし[学校教育でLGBTQ+をはじめとする「性の多様性」について教えるべきだと思いますか]という質問に対しては
「教えるべき」「できれば教えるべき」と回答した人は88.7%と大多数であることが分かりました。
課題はありながらも、問題意識はあることが伺えます。
こういったLGBTQ+教育の課題としては、教員側の知識や理解不足が原因になっていると考えられます。
教育を受ける側でなく、教える側の世代が課題意識を持って知識を増やし、興味関心を高めて、それを教育現場に還元していく意識が必要でしょう。
職場での課題
教育現場のみならず、職場においてもLGBTQ+に関する課題はあります。
電通ダイバーシティ・ラボの2018年の調査によると
[勤めている会社で、性の多様性に関してサポート制度がありますか」という質問に対して
[サポート制度がない]との回答が54.5%と過半数を超える結果になってしまいました。
また「十分なサポート制度がある」と答えた人はたった5.5%です。
2018年の調査とはいえ、大きな課題が残る結果となっております。
同アンケートで
[職場の同僚(上司・部下含む)に性的マイノリティ当事者であることをカミングアウトすることに、抵抗がありますか]という質問に対しては
50.7%が[抵抗がある]と回答しています。
こちらも深刻に受け止め、認識を改める必要のある結果と言えるでしょう。
また、職場ではSOGIに関するハラスメント(SOGIハラ)も問題として挙げられています。
(SOGIに関する記事はこちらから)
いかなるハラスメントも絶対に根絶すべきです。
ひとりひとりの思いやりと小さな努力で、少しでもみんなが生きやすい環境を作っていきたいものです。
【参照:電通ダイバーシティ・ラボ LGBTQ+調査2018年】
まとめ
日本社会のLGBTQ+に対する理解や寛容性は他国と比べてはるかに遅れをとっています。
こちらの記事で紹介したデータはやや古いものですが、多くの課題を抱えていることは理解できたかと思います。
大切なのは、当事者意識を持つこと。
他人事と思わずに、自分自身も社会を変えていく1人としてLGBTQ+に関する理解を深めましょう。