多様性を象徴する旗として活用されているレインボーフラッグ。最近では、テレビや映画などでもよく取り上げられことが多く、皆さんも目に触れる機会は多いことでしょう。レインボーフラッグについてあなたは正しく理解できていますか?
レインボーフラッグの軌跡や意味について確認しながら、多様性への理解を深めていきましょう。今回はレインボーフラッグの意味や歴史について詳しく解説します。
レインボーフラッグとは?
レインボーフラッグとはLGBTの象徴の一つであり、多様性を表す虹色の旗のことです。
アメリカ合衆国のカリフォルニア州が発祥で、アーティストのギルバート・ベイカーがデザインしたものです。現在では世界中で多様性を表す象徴として、イベントなどで使われています。
LGBTとは
LGBTとはセクシャルマイノリティーの総称です。
Lesbian(レズビアン)女性の同性愛者、Gay(ゲイ)男性の同性愛者、Bisexual(バイセクシャル)両性愛者の3つの性的指向、Transgender(トランスジェンダー)性別越境の頭文字です。多様化する性の分類として用いられています。
レインボーフラッグの背景
1970年代後半にゲイの解放運動における新たなシンボルが必要とされていました。
当時、シンボルとなっていたのはヒトラー由来のピンクトライアルでネガティブなイメージでした。そこで、新シンボルのデザインを依頼されたのがギルバート・ベイカーです。ネガティブなイメージを払しょくするために採用された「虹」。虹と聞いてネガティブなイメージを思い浮かべる人はいないでしょう。
レインボーフラッグをデザインしたギルバート・ベイガーは、アメリカ合衆国出身の美術家(アーティスト)です。彼は軍に在籍した後、自己流で縫製を学び、様々な大舞台でデザイナーとして活躍。各国首脳が訪れるイベントの装飾なども担当しています。
レインボーフラッグの色の意味
当初、レインボーフラッグは8色で構成されていました。各色の意味は以下のとおりです。
・ピンク・・・性
・レッド・・・生命
・オレンジ・・・癒し
・イエロー・・・太陽
・グリーン・・・自然
・ターコイズ・・・魔術、芸術
・インディゴ・・・平穏、調和
・パープル・・・精神
このレインボーフラッグというシンボルが広がっていくにつれ、8色の染料や布の調達が難しいという問題が出てきました。そこで、2色がカットされ、現在はレッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルの6色が主流となっています。それでも、8色の意味合いが失われたわけではありません。
レインボーではないフラッグ
2022年のカタールW杯では「白黒のレインボーフラッグ」が掲げられ、性的マイノリティの不当な扱いに抗議する活動が見られました。色がない代わりに、カラーコードで色を表しています。このような旗が作られた背景として、カタールではたびたび性的マイノリティの不安を煽るような差別的扱いが報じられ、中には「虹色の服を着た男性が拘束された」という報道もありました。そのような不安を払しょくするために作られたのが白黒のレインボーフラッグです。このように国の環境によりレインボーフラッグの色を変化させ使用する例もあります。
また、多様な性を象徴とするレインボーフラッグですが、それ以外にレズビアン、トランスジェンダーに特化したフラッグ、人種の色を組み合わせたプログラセスフラッグなどさまざまなデザインが考案されています。
まとめ
今回は、レインボーフラッグについてご紹介しました。
レインボーフラッグは、6色の虹色の旗で多様性を象徴するものです。
まだLGBTへの差別は根強く残っていますが、レインボーフラッグをはじめ、様々な活動が広まっています。これからも多様性を認め合う社会を目指すために、LGBTへの理解を深めていきましょう。