LGBTQ+をテーマとした映画は古今東西数多く存在します。
今回はLGBTQ+を扱っている映画の中から、日本の作品ではなく洋画を紹介いたします。
どれも映画としての完成度がとても高いものばかりなので、すべての人におすすめの映画となっております。
では参りましょう!!
1.『ミルク』
『ミルク』は2008年に公開した映画で、
ゲイであることを公表した実在の政治家ハーヴェイ・ミルクの実話を元にした物語です。
舞台は1970年代のアメリカ。
まだ性的マイノリティの方々が不平等に扱われていた時代の中、ミルクは自らゲイであることを公表し、権利の平等や地位の向上を訴えました。
LGBTQ+の未来のため、そして人間一人一人の尊厳のために戦い続けるミルクの姿に心を打たれます。
映画自体も素晴らしいのですが、ハーヴェイ・ミルク役のショーン・ペンの演技が圧巻です。
作品のみならず、演技の面でも世界中のあらゆる賞を受賞しています。
また、監督であるガス・ヴァン・サントも自身がゲイであることを公表しています。
ガス・ヴァン・サントの監督作にはゲイを題材にした映画が数多くありますので、是非ともご覧になって下さい!
2.『チョコレートドーナツ』
『チョコレートドーナツ』は2012年公開のアメリカ映画。
97分という比較的短い時間ながら、骨太なドラマと大きな感動が詰まった大傑作です。
この映画は「1970年代のニューヨークでゲイが育児放棄された障害児を育てた」という事実のエピソードから着想を得ています。
ショーパブの歌手として働くルディとそこに客として訪れたポールはお互い男性ながら惹かれあっていきます。
そんな中、ルディ家の隣人であるダウン症の少年マルコの母親が逮捕されてしまいます。
2人はマルコを引き取り、3人で仲良く暮らし始めるのだが…。
映画の設定は『ミルク』の時代と近い1979年。
当時は今以上にLGBTQ+に対する風当たりが強く、生きていく葛藤と苦悩が実に身につまされる形で描かれています。
3.『ブロークバックマウンテン』
『ブロークバックマウンテン』は2005年公開の映画で、その年のヴェネツィア国際映画祭で最高の作品に贈られる金獅子賞を受賞しております。
低予算ながらあらゆる映画賞を受賞した素晴らしい作品です。
映画のほとんどのシーンがワイオミング州のブロークバック・マウンテンという山中で行われます。
ブロークバック・マウンテンに季節労働者として働きにきた男性2人がお互いに惹かれ合いながらも、秘密を抱きながら異性と結婚します。複雑な想いを抱いたまま時が進み、2人はどんな運命を辿るのか…。
キャストはヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイなど超有名かつ実力者ばかり。
観終わった後に誰かに話したくなる、素晴らしい映画です。
4.『リリーのすべて』
『リリーのすべて』も『チョコレートドーナツ』と同様に史実を元に作られた映画です。
1926年のデンマーク、画家のゲルダの夫アイナーは絵のモデルとして女性の代役をしたことをきっかけに、自分の内なる女性性に気付き、性別適合手術(当時では性転換手術)を行います。
性別を変えて生きること、今まで男性だった夫が女性になるということなど、
トランスジェンダーを取り巻く葛藤や生きづらさ、美しさを見事に表現しています。
モデルとなったのは、世界で初めて性別適合手術を行なったリリー・エルベ(1882-1931)です。
多くの方々の人生が積み重なった上に、今の環境や社会があると思わせてくれます。
5.『パレードへようこそ』
2014年公開のイギリス映画。
この作品も実際にあった歴史的事実を元にしています。
1984年から85年にサッチャー政権下で起きたストライキの話です。
レズビアンやゲイの活動家たちが炭鉱労働者の家族に金銭支援を行い、レズビアンズ・アンド・ゲイズ・サポート・ザ・マイナーズ(LGSM)という団体の発足に繋がりました。
あらゆる反対や逆風にさらされながらも、人の尊厳のために戦うLGBTQ+の方達の姿は感動を与えます。
イギリスでの原題は『Pride』
6月のプライド月間には必ず観たくなる映画です。
まとめ
今回紹介した映画は史実を元にしながらもクオリティの高いものがほとんどでした。
しかしこれら以外にも数多くの素晴らしい映画があります。
また別の機会に紹介できたらと思います。
この機会に今回紹介した5作品のどれかをご覧になって下さいませ。