LGBTQ+という言葉は少しずつ世間に浸透してきて、みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
では「SOGI」という言葉はご存知ですか?
「SOGI」もこれからの多様性の社会を作り上げていくうえで絶対に知っておくべき概念です。
今回は「SOGI」について簡単に説明し、昨今問題になっているSOGIハラと、それをなくす取り組みについても解説いたします。
SOGIとは?
SOGIとは[Sexual Orientation and Gender Identity]の頭文字を取った言葉で、 あらゆる人の「性的指向(好きになる性)/性自認(自分で認識している性)」のことです。
読み方はソジ、もしくはソギといいます。
また、
性別表現[Gender Expression]を加えて「SOGIE」、
身体の性的特徴[Sex Characteristics]を含めて「SOGIESC」という言葉もあります。
LGBTQ+とSOGIは違う?
よく混同されがちな言葉ですが、違う概念を表す言葉なのできちんと認識しましょう。
LGBTQ+は性的マイノリティーの総称です。
レズビアン[Lesbian]、ゲイ[Gay]、バイセクシュアル[Bisexual]、トランスジェンダー[Transgender]、クエスチョニング/クイア[Questioning/Queer]の頭文字を取った言葉で、そこに性の多様性を表した「+」がついています。
一方、SOGIはすべての人が有している言葉です。
「性的指向=どんな性別を好きになるのか」
「性自認=自分自身をどういう性だと認識しているのか」
ということを表した言葉なので、性的マイノリティーの人のみならず、体と心の性が一致しており異性が好きだという人も含めてあらゆる人を包括した言葉なのです。
SOGIハラとは?
SOGIハラとは「他者から自身のSOGIに関して差別や嫌がらせを受けるハラスメントの こと」です。
また、本人の同意なしに本人の性的指向や性自認について第三者に公開する「アウティング」もSOGIハラに含まれます。
企業においてはSOGIを理由に異動や解雇を行うこともSOGIハラのひとつだとされており、そういった行為は禁止されております。
また、具体的な言葉や暴力などがなくても、男性・女性はこうあるべきというらしさの強要もSOGIハラに繋がります。
SOGIハラに対する日本の取り組み
近年SOGIハラは深刻な社会問題として取り上げられ、改善に向けて法整備もされるようになりました。
2019年12月、厚生労働省の労働政策審議会にてパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が成立しました。
この法律により、SOGIハラを含めたあらゆるパワーハラスメントの防止対策が各企業や自治体などで義務化されるようになりました。
この法律は、中小企業を含む全ての企業に適用されています。
具体的な「措置義務」は大きく以下の4つです。
①ハラスメントの「禁止」と、起きてしまった際の「懲戒」規定を就業規制に明記すること。それらを研修等で周知すること。
②あらゆるハラスメントの相談窓口を設置し、担当者が適切に対応できるようにすること。
③ハラスメントが起きてしまった際の対策を検討すること。被害者への配慮と、加害者への措置、再発防止策を講じること。
④相談者や行為者のプライバシー保護をすること。相談したことによる解雇等、不利益な取り扱いをされないことを明記する。
もし、これらの対策を怠った場合、自治体の労働局による助言・指導・勧告等が行われます。
まとめ
SOGIはあらゆる人を対象にした言葉であることは理解できたかと思います。
SOGIハラは絶対にあってはならないことです。
対策措置として、こうして明文化されたことは多様性を認める社会を作る上で大きな一歩ではあります。
しかし、ルールで縛るのではなく、あらゆる人たちがそれぞれのSOGIを尊重して認め合える精神性が必要です。
これからもこちらでLGBTQ+に関するあらゆる情報を発信していきますので、ぜひともチェックしてみてください!